2015/03/01

必ず自己ベストを更新できる!

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というサブタイトルがついた岩本能史氏の新著が発売されています。


著者はすでに数冊の本を出しており、過去の本と似たような内容が多くはなってしまうのですが、




今回の新著は、その集大成といった感じになっており、今まで以上にわかりやすく解説されていました。
Amazonのページで目次を見ることができるのですが、すでにあるトレーニング方法や走法に関して否定的な意見が結構多いです。しかし、その説明が的を得ており、なるほどと思わせる内容となっていました。例えば、

・厚底シューズはダメ
・30キロ走を過信するな
・初心者を卒業したらLSDも卒業する
・ランニングにストレッチは必要なし
・腹筋運動は不要
・トレランはマラソンに直結しにくい
・裸足ランは不自然
・ピッチよりもストライド走法

などなど。大いに賛成できる部分や、突っ込みを入れたい部分、補足したい部分など、読んでいて色々感じたのですが、続々と発売されている最近のマラソン本の中では、非常に中身が濃く、コストパフォーマンスに優れた良書だと感じました。

私の場合は、厚底と薄底の両シューズを併用すべきだと思うし、ストレッチは運動前は動的ストレッチ(ラジオ体操のような反動を付けた反復運動を繰り返して、可動域を徐々に広げるストレッチ)を、運動後には静的ストレッチ(ゆっくり伸ばして、その状態を20~30秒キープする)をしたほうがいいと思っているし、腹筋の強化は、適切なフォームとバランスの維持、体脂肪削減に欠かせないものだし、自分が自然な感じで楽に速く走れるのであれば、ピッチ走法やストライド走法は意識すべきではないと思っています。
LSDや裸足ラン、カーボローディングの件に関しては大賛成。

特に裸足ランは、そもそも人間は他の動物と違い、身一つで自然に適応することができなかったため、道具を使うことでそれをカバーできたのですよね。衣類や靴や帽子などで身体を保護してきました。道具を使ってこそ、人間本体の姿なんですよね。
裸足で生活をしている民族もいますが、それは温暖な気候で、裸足でも大丈夫な赤土や草原などの地面だからであって、日本のような石や砂利だらけの大地ではありません。
それに、自動車のために作られたアスファルトの上となれば、極めて不自然な環境だし、そこを利用している人たちは、裸足で使うことを想定していないため、ガラスや金属片、ゴミがあるし、植物や虫の多い大地とは違うため、腐敗の分解が進まず、バイキンも多いことかと思います。そんなところを頑張って裸足で走っても、衝撃の強さだけでなく、それ以外のマイナス効果も大きいです。
スポーツ観点から見ても、道具を使わないというのは、グローブをせずに野球をしているようなもの。危険度は高まるし、選手のパフォーマンスは落ちるし、面白さも激減。
裸足ランをされている方は、本人が好きで楽しくて行っているので自由ではありますが、私の場合は、体育館などの裸足で使うことも想定した場所で楽しむべきで、一般道を走るのは、スポーツマンとして見ると、いかがなものかと感じます。ワラーチくらいは履くべきかと思います。


話は戻りますが、マラソンのための大まかなトレーニング方法は、どの本でもほとんど同じですが、細かな部分では、人それぞれ意見が違っており、どれが正しいのかがわからないのですが、そんな時はとりあえず試してみることが大切ですね。そして納得がいくものであれば取り入れるようにし、その成果をレースで判断することを繰り返しながら、自分に適したトレーニング方法を確立していくことが、マラソンの面白さの一つでもあったりします。岩本氏のこの本、是非チェックしてみてください。