2014/11/10

2週連続フルマラソン 結果

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マラソンの教本はいくつか出版されているのですが、多くの本を読んで非常に内容が良かったのが、これらの本。

マラソン・トレーニング

30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法 (角川SSC新書)

マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ (角川SSC新書)

eA式 マラソン走力UPトレーニング

小出ランニングアカデミー

アドバンスト・マラソントレーニング

中でも、小出監督の本はオススメで、現時点で最新の「30キロ過ぎで一番速く走るマラソン」の本は、本格的にマラソンに取り組んでいるランナーさんには、必読書の1つかと思います。
本のタイトル通り、トレーニングメニューは結構ハードとなっており、サブ3の場合のトレーニングの最終目標は20~30kmをキロ4分~4分5秒で走れるようになること。そのために、心肺を追い込んだ苦しいメニューが多く組まれています。LSDも出てきますが、月間走行距離を稼ぐことくらいしか成果が残せない、極端に遅いLSDではなく、持久力アップに繋がる、ある程度のペースで走るロング走をLSDとして位置付けています。

この本の中に紹介されているのが、2週間連続フルマラソンへの参戦。今までの常識を覆し、多くのレースに出場している川内選手を例に上げて、この効果を解説しています。
2週連続レースは、高橋尚子さんにも計画があったそうで、関係者の反対に押されて実現できなかったそうですが、十分結果を残せたはずと根拠も示していました。
2週連続フルマラソンのための、トレーニングと調整メニューも紹介されています。
私は、あいの土山マラソンと、いびがわマラソンが、2週連続で行われるため、この大会を利用してチャレンジしました。
小出監督の、2週間連続フルマラソンに向けたメニューはこうなっていました。

2週間フルマラソンのための、3週間のメニュー

月 休み
火 ジョギング60分 ゆっくり
水 インターバル走 全力1km+ジョギング200m×5~7回
木 ジョギング60~90分
金 ジョギング40~50分
土 タイムトライアル10~15km
日 休み(またはジョギング40~60分)

月 ペース走15~20km
火 ジョギング60分
水 ジョギング40~60分
木 15km走 気持よく5km+タイムトライアル5km+ゆっくり5km
金 ジョギング60分
土 ジョギング60分
日 レース42.195km

月 ジョギング60分
火 ジョギング60分
水 休み
木 ジョギング3km(または休み)
金 ジョギング3km
土 ウィンドスプリント100m×3~5回
日 レース42.195km


私が実践したトレーニング内容

月 休み 体幹筋トレ
火 ペース走20km 4’00/km
水 休み
木 ロング走30km 4’20/km
金 休み
土 休み
日 ビルドアップ走20km 5’00→4’00/km

月 休み 体幹筋トレ
火 ペース走10km 4’00/km ジョグ5km 5’30/km
水 ジョグ10km 5’00/km
木 変化走12km ジョグ4km+LT走4km+ジョグ4km
金 休み
土 刺激入れの予定だったが、雨にて休み
日 レース42.195km

月 ジョグ15km 5’15/km
火 休み
水 ジョグ10km 5’00/km
木 ジョグ8km 5’50/km
金 休み
土 刺激入れ5km ウィンドスプリント5本
日 レース42.195km

正確な計画性はなく、天候や体調によって柔軟にメニューを決めていましたが、休みを多めに入れて、足の痛みの回復を促したことと、疲労回復と故障の予防のための半身浴やストレッチはほぼ毎日行うようにしました。
1戦目のレースを終えた次の週は、疲労がかなり残り、足のだるさよりも、睡魔がひどかったです。夜にたっぷり寝てもまだ眠い状態で、昼休みのわずかな時間に仮眠もしていました。
それと、レース後は空腹になるのですが、食べ過ぎないようにご飯は1食1合とし、足りない分は、時間を置いて間食として、果物や豆乳などを摂っていました。
レース前のカーボローディングは、通じを含めた食生活のリズムが狂うので、取り入れないようにしています。炭水化物を意識するよりも、レバーやイワシの丸干し、豆腐や納豆、緑黄色野菜など、栄養価の高い食品を摂ることを意識していました。

2週連続レースの場合、どちらか1戦をトレーニング目的(タイムトライアルやペース走の代わり)としても構わないと、小出監督の本には書かれているのですが、私はどちらも純粋なレースとして参戦しました。ただし、身体に大ダメージが出るほど無理はしないことを前提としました。

上記のトレーニングメニューをこなし、レースに参戦したのですが、2戦とも体調はまずまずだったものの、気力はイマイチ。私の場合、どの大会でもそうなのですが、前日まではワクワクドキドキ感でテンションは上がっているのですが、スタート直前になると、
今から長く苦しいマラソンが始まるんやなー。思ったほどのタイムが出ずに、悔しい思いをするのと違うやろか。途中で足が痛くなってリタイヤしたらカッコ悪いな。気持ち悪くなって顔面蒼白になったらどうしよう。ああ、帰りたい。。。
みたいな、超悲観的な思考に陥りやすい性格で、2戦とも、憂鬱なスタートとなりました。
しかし、走り出したら、いつものトレーニングと同じ状態になるので、息苦しくなる呼吸を整えつつ、ひたすら前進あるのみ。
また、恒例となった走行中のレポートのための写真撮影で気を取られ、悲観的なことを考える暇がなくなります。

あいの土山も、いびがわも、高低差のあるコースなので、計画的なペース配分はできず、感覚的な苦しさと、ハートレートモニターでの心拍数をあてにするしかないのですが、走行中は、周期的に苦しい区間と、楽に感じる区間が交互に現れるので、その部分にだまされないようにしました。
苦しく感じる部分は、ストライドを狭くしたり、前進につながるための胸を張って尻を後ろへ突き出したアフリカ人っぽい前傾フォームを意識したり、着地の位置や足先の向きに気を配りながら、苦しさを思考でごまかしつつペースが落ちないように走り、楽に感じる部分では、肩を後方に反らして深呼吸したり、腕を下に垂らして上半身の脱力を促したりしながら余裕度を更にため、無駄にペースが上がらないようにセーブしました。
後半は、余力が若干残っていたのと、苦しいながらも足運びがスムーズにできたおかげで、両レースとも好タイムを出すことができました。これにはわけがあります。

フルマラソンのレースは、25km以降の後半で、いかにペースを維持できるかがポイントで、小出監督の本のように、30km過ぎで一番速く走れることが理想。そのためには、前半は意識的にペースを落とす(楽に走る)ことを重視すればいいのですが、それを簡単に実践する方法は、目標タイムを下方修正すること。

長期に渡ってトレーニングをした成果を発揮する、晴れの舞台がマラソン大会なので、どうしても頑張りたくなるのですが、例えばサブ3を目指すなら、キロ4分15秒ペースとなり、前半を抑えるならキロ4分20秒で走るのが理想。しかし、後半に頑張れるかどうか自信がない場合、そのペースで走りたくはないですよね。最低でもイーブンペース、後半の落ち込みを考えれば、若干速いペースで走ってタイムの貯金を残したいというのが、一般的ではないでしょうか。
つまり、この考え方をしている段階では、サブ3が目標というのはまだ早い。例えば、サブ3ではなく、3時間5分を目標とすれば、キロ4分23秒ペース。このペースなら、最初からイーブンペースで走っても、何とかクリアできそうな感じがしますよね。

目標をクリアしたい気持ちがあっても、実際のレースでは、ワンランク目標を落として、そのつもりで走ると、自ずと好結果が残せるようです。
私は、今回のレース前の自己ベストは、2時間55分2秒だったので、PB更新には、55分切りが目標となるのですが、2週連続フルという計画だったので、PB更新は目標にせず、サブ3を目標にしていました。これだと目標が5分程度ダウンし、走行ペースがかなり楽になります。
「今回は、ギリギリ無理して頑張らなくてもいいんだ。PB更新できなくても、2週連続フルにチャレンジし、そこそこの結果が残せれば、それで十分満足できる!」
こういった気持ちで走りました。スタートする以前から、余裕度があったわけですね。

両レースとも、平均的には自己ベストのペース(キロ4分8秒)で走ってはいたのですが、高低差があるためペースは大きく乱れ、走行中のペースは当てになりませんでした。そして、目標はPB更新ではないため、精神的な気持ちは余裕綽々で、ペースが落ちても全然平気な気分で走っていました。「サブ3に達しなくても、2戦走り切ること自体に意義があるんだ。今回は、楽に速く走る方法や、後半に潰れない走りを、実践で試行錯誤してみよう。」みたいな感じでした。
前半張り切り型の、ポジティブスプリットで後半ガタ落ちというレースが多い私のようなランナーさんは、目標値を低くして、それでも満足できるような理由付けをしておき、余裕綽々でリラックスしてスタートを切るという作戦が、オススメだったりします。

また、2週連続フルというのは、ウルトラより楽かもしれませんが、回復力、調整力、モチベーションの維持、故障予防、規則正しい生活など、マラソンを趣味とするための総合力が問われます。また、極めてハードな究極のトレーニング法となるため、走力アップは間違いなし。2戦をハイペースで走り切ったことでの自信も付きます。
無理しない程度でチャレンジしてみる価値は非常に大きく、来年もチャレンジしようかと計画中だったりします(^^ゞ

2週連続フルマラソンの結果
1戦目 11月2日 あいの土山マラソン 2時間55分58秒 一般男子8位入賞 セカンドベスト
2戦目 11月9日 いびがわマラソン 2時間52分49秒 フルマラソン男子42位 PB更新