2014/01/22

マラソンが上達した理由

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サブ3という目標を持ち、本格的にマラソンのトレーニング初めてから約3年。目標のサブ3と、ハーフの目標の80分切りを達成し、次の目標である2時間50分切りを目指している47歳のおっさんなのですが、私が今のタイムを出せるようになった理由を挙げて見ると、

・ランニング雑誌や教本をたくさん読んだ
・iPhone(GPSログ)を使った
・ランニング用のシューズや衣類を買って楽しんだ
・ツイッターでモチベーションを上げた
・他に熱中する趣味がなかった
・時間が取りやすい夜ランをした
・自転車(ロードバイク)を持っていた(故障時に有効)
・比較的安全で、ノンストップが可能なコースが自宅近くにたくさんあった
・性格がMでナルシストだった

といったところでしょうか。
速く走れるようになるためのトレーニング方法は、多くの教本に書かれていますが、私が経験して思う最も重要なトレーニング方法は、
「ひたすら頑張って走ること」
これだけ。
健康維持やダイエット、ストレス発散が目的で、のんびり楽しく走るジョグもありますが、目標があるならそれは二の次。毎日早朝に5kmを走ることを繰り返しているのなら、1日おきに10km、2日おきに15kmを走った方が、マラソンのトレーニングには効果的です。これは小出監督の著書にも書かれていました。

また、「忙しくて走る時間がない」という方が見えますが、テレビ番組を1本見る時間があるのなら8~10kmくらいは走れるし、パソコンでウェブをダラダラ散歩している時間を削ったり、長湯をやめて今日はシャワーにするなどすれば、いくらでも走る時間は捻出できます。
疲れて走る気力がない場合も、疲労に打ち勝つことがマラソンなので、絶好のトレーニング状態と言えます。
何らかの理由で走れないというのは、怠けたいための言い訳の場合がほとんどです。大きな目標を掲げているのなら、そんな甘えたことなど言ってられません。

トレーニング方法は、一般的な教本に従いました。

ペース走
ビルドアップ走
タイムトライアル
ロング走
インターバル走
LSD
回復走(つなぎのジョグ)

ただ、私の場合は、LSDは行いませんでした。テストで試したことは数回ありましたが、効果が得られなかったことと、だらだら走るためフォームが乱れる、ランニングがつまらなくなる、そして、貴重なトレーニング時間を浪費することが、その理由です。LSDをするなら、通常のジョグペースでロング走を行えばいいし、ジョグやロング走とくらべて、極端の遅く走るLSDの方が効果的という科学的根拠を、実験データと共に示しているコーチや教本は、私の知る限り皆無のようです。専門家でも、LSDに対しては意見が割れるようです。そのため、私のように実際に走って試してみるといいようです。
実業団のように、トレーニング時間が豊富で、たっぷりポイント練習やジョグをこなし、まだ時間が余っているのであれば、普段の生活よりもカロリーを消費することができるだらだらLSDを取り入れてもいいのかもしれませんが、一般の方は走れる時間と体力が限られているだけに、効果の薄いメニューは避けた方がいいと思います。

LSDをするなら、足の可動域が大きく、普段使われにくい筋肉を鍛えることができる低山ハイキングを行った方が、楽しいし効果も高いと思います。
ちなみに、小出監督がすすめるサブ3向けメニューにもLSDが出てきますが、25kmを2時間で走る(キロ4分48秒ペース)、または、30~32kmを2時間30分で走る(キロ4分42秒~5分ペース)というものであり、他のコーチがすすめるキロ7分や8分で走るLSDは出てきません。
ただし、完走やサブ4狙いの方は、LSDのペースが、中・上級者のロング走と同等レベルの負荷になるので、必須メニューとなります。

それと、月間走行距離にこだわる方が見えますが、距離は結果であって目的ではありません。月に400km走っても、サブ3を達成できない方もいるし、月に200km台でサブ3を達成した方もいます。距離にこだわると、長く遅く走るメニューが増えてしまいがちになるため、トレーニングメニューの質が悪くなります。目的は月間走行距離でなく、PB更新であり、サブ3です。記録が低いのに月間走行距離が無駄に多いのは、ダラダラ走って時間とエネルギーを浪費しましたと言っているに等しいです。

トレーニングメニューは、目指すレースがフルの場合とハーフ場合で変えていました。フルの場合は、つなぎのジョグを減らすか休息をはさむようにし、その代わり、30km以上のロング走を増やしました。具体的には、昨年の12月にロング走を6回行い、翌1月に2回行いました。そして、その月のレースでPB更新を果たすことができました。12月の月間走行距離は387kmで、休息日は13日も取っています。
このロング走メインのメニューにしたことで、長い距離に対する抵抗感が一気になくなり、スタミナがついたことを実感しました。20kmあたりでは、レースペースで走っても余裕綽々となります。ロング走は練習時間が取りにくいのが難点ですが、この時は年末年始を挟んだことで解決できました。

目指すレースがハーフの場合は、ロング走はほとんど行わず、ペース走やBU走、タイムトライアルなど、追い込み系のスピードメニューを増やしました。
インターバル走も行いましたが、月に1度程度と頻度は少ないです。短い距離を高負荷で走るよりも、10km以上の距離を高負荷で走り続けるときの苦しさの方が、ハーフマラソンの走りに近いものがあったので、インターバルよりも10~20kmのハイペース走を重要視しました。(インターバルでの1kmだと、必要以上に速く走ってしまい、レストのジョグが遅くなりがちになるのですよね。インターバルで、つい怠けてしまうのなら、よ~いどん!で10kmタイムトライアルやペース走をしたほうが頑張れるようです。)

スピード系のメニューは、走りがキツくなればなるほど、アゴが上がり、身体がのけぞってしまうのですが、そうなると前進するための走法に悪影響が出るので、苦しくても正しいフォームをキープすることに意識して走っていました。ペースも知らず知らずのうちに落ちてしまうので、iPhoneのRunmeterでペースアナウンスを聞きながら、速度の維持を心がけました。キロ4分以内のペースを目指します。

ランニング以外は、温冷交代浴(冷水はシャワー)、ダンベルを使った軽めの筋トレ、BCT(体幹トレーニング)、入浴後のストレッチを定期的に行いました。
体幹トレーニングはこの本のメニューを行っています。結構キツイです。


食事は、鶏レバーやいわし、納豆、卵、豆腐、高野豆腐、煮干し、ひじき、豆乳などを多く摂りました。間食は、あんぱん、牛乳、リンゴやみかん、バナナなどの果物を食べていました。食事は3食をドカ食いするよりも、同じ分量を回数を増やして摂った方が太らないそうです。また、揚げ物、ケーキ、スナック菓子はほとんど食べません。

体重や体脂肪などは定期的に計測して記録していました。ダイエットはしていません。マラソン体型を思うと、もっと体重を落とす必要はあるのですが(現在身長167cm、体重60kg、体脂肪9%)、しっかり食べないとトレーニングに力が入らないし、消耗した筋肉の回復にも十分な栄養が必要なので、食事制限なんてしていたらマイナス効果となってしまいます。減量をしたいのなら、食事量でなくランニング量で加減すべきだと思っています。
心拍数は、トレーニング中だけでなく、睡眠前もiPhoneアプリで計測して記録していました。現在の安静時の平均値は40bpmほど。心拍数の低いスポーツ体質に変化しました。

ランニングに関する本は、買うだけでなく図書館を大いに利用するなどして、古い本から新しいものまで、かなり多くの書籍を読みました。ランニング雑誌も、バックナンバーを図書館でチェックしました。どの本も、参考になる部分もあれば、反論したくなる部分もあり、完璧と感じた本は少ないのですが、小出監督の本は参考になる部分が非常に多いです。



また、eA式も、教科書的な内容でわかりやすくまとめられています。


海外の本はリディアード氏の本が有名ですが、


私はこの本の方がはるかに役に立ちました。


マラソンレベルを上げる一番のポイントは、モチベーションをいかに高めるかだと思っています。

・レースに出場しテンションを上げる
・新しいシューズやシャツなどを買う
・愛用のシューズを下駄箱ではなく部屋に飾る(ランスマのスタジオセットのように)
・ランニングの仲間を増やす(リアルだけでなくツイッターなども有益)
・記録を残す(iPhoneやGPSウォッチの利用)
・ランニング日誌を書く(読み返す)
・完走証や賞状を額に入れて部屋に飾る
・頑張る自分や変化する自分に惚れる
・ランナーの多い公園などへ行き、やる気をもらう
・ランニングによる健康で快適な生活を実感し、一人喜ぶ
・手が届くレベルの目標を持ち、それをクリアをして感激する
・ブログやツイッターなどで、「頑張りました」報告をする
・ランニング雑誌や書籍を読む
・マラソンのレース中継やランニングのTV番組、YouTubeなどを見る
・過去のレースリザルトを見る

今後、怪我や故障をしたり、病気になって入院、あるいは、事故で一生走れなくなるような、大怪我を起こす可能性もあります。しかし、ランニングができなくなっても、ランニングをしていたときのモチベーションの上げ方、目標に向かう姿勢、健康を取り戻す方法、自分なりに充実した人生を送る方法などは、たった1人でできるランニングから学ぶことができます。仮に片足がなくなったとしても、むちゃくちゃ速く走れそうなカーボン製の義足が今はあるし、車いすの人生となったとしても、車いすマラソンに出たい!となることでしょう。病気になっても、ランニングから得られた行動力を使い、ささやかな目標を作ってそれを達成することに頑張れるのではないかと思います。
目標を達成したときの喜びを想像するだけでなく、こういった不幸や苦難を想像するのも、結局は今のモチベーションアップにつながります。このブログに、マラソン関係の内容を書いている今も、モチベーションアップになっています。

というわけで、私が「マラソンが上達した理由」というのは、

「モチベーションをいかに上げるか」

が最大のポイントであり、やる気を維持継続できたことが、現在の結果につながったようです。
自分が決めた目標に向かってコツコツと努力し、その目標をクリアし、涙が出るほどの喜びを感じれば、その余波を利用し、更に上の目標を作ってそれを目指す。
年老いてレベルが下がっても、そのときの自分に合わせた目標を作る。PB更新が無理な年代になれば、年代別での上位を目指す。多くの大会に出場してみる。ウルトラにチャレンジしてみるなど、いろんなハードルを用意して達成感の喜びを満喫する。
ランニングだけでなく、他のスポーツでも趣味でも同じように楽しめますが、ランニングはいつでも簡単に始められ、特殊な技能や才能は不要。サッカーや野球のような、チームプレイを必要としない点も、気軽に始められる利点の一つです。

サブ3は大変そうに感じますが、トレーニングは

「ひたすら頑張って走ること」

という、非常に単純で明快なもの。受験や資格試験のような頭を使う必要もなければ、高価な道具や施設を利用する必要もありません。それなのに、サブ3の達成率は、わずか4%と言われているほど狭き門。だからこそ、やるなら今でしょ!と言いたくなるほど、面白みとやり甲斐があるテーマとなっています。
私も現状に満足せず、50歳までにもうワンステップ上を目指そうと思っています。
それぞれの目標に向かって、頑張りましょー!