2012/10/16

マラソンの走力アップ、私の方法

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本格的にランニングを始めてから2年半ほど経ったのですが、どうすれば足が速くなるのか、どう鍛えればマラソンで好タイムが出せるかが、ようやく見えてきたようです。
要は「しっかり走り込むこと」これだけなんですが、実際に試行錯誤しながらトレーニングをしてみて、効果的な方法がいくつか発見できました。

・ダイエットしない
・トレーニングメニューを増やす
・夏場にしっかり走る
・シューズは2種類
・ゆっくり走れば速くなる?
・LSDよりもウォーキング
・足が痛い時は走る
・半身浴と水シャワー
・筋トレ必須
・走る時間帯
・トレーニング日誌
・iPhoneの活用
・モチベーションの維持

・ダイエットしない
体重が軽ければ楽に速く走れますが、スタミナが勝負の長距離走では、エネルギー不足は致命的。それは練習でも同じで、エネルギーが枯渇した状態では力が入らず鍛えることができません。空腹の状態で走って脂肪をエネルギーに変えるトレーニングは必要かもしれませんが、まずは脚力や心肺能力を鍛える方が先です。現に公務員ランナーの川内選手の私生活がテレビで放送されていましたが、驚きの食事量です。これは有名なマラソンランナーさんすべてに言えることで、その食欲旺盛ぶりは、いくつかの本でも紹介されています。それに、ランニングを続けていれば嫌でも痩せられます。私はランニングを始めてから、体重が63kg→58kg、体脂肪は17%→6%になり、体型がブルース・リーみたいになってきています。

・トレーニングメニューを増やす
同じ距離を同じペースで走る方が結構見えますが、健康維持が目的でなく、マラソンのレベルアップが目的なら、その練習方法では効果が出ません。実際に、そういった練習をされている方の記録を見ても、ほとんどタイムは向上していないようです。
前よりも長く走ってみる。次はのんびり走って回復させる。次は前よりも速く走ってみる。再びのんびり走って回復させる。この繰り返しが効果的でした。
また、同じ繰り返しは飽きるので、それを防止させる点でも、メニューは豊富な方が楽しいです。

・夏場にしっかり走る
夏は走る力以上に、暑さに耐える力も必要です。つまり、夏場のランニングはかなりの高負荷。身体を汗で冷やす必要があるので、走るためだけにエネルギーが使えません。しかし、その負荷が効果的なトレーニングとなり、走るためだけに力を使えるようになる秋以降は、苦労せずにレベルが上がります。キロ5分ペースで10kmを8月と11月で走った場合、苦しさは雲泥の差です。マラソンは苦しさとの闘い。その苦しさが簡単に味わえる夏こそ、絶好のトレーニングの時期です。ただし、あまり頑張り過ぎると熱中症など危険な場合があるので、春のトレーニングペースよりは距離も負荷も落としました。

・シューズは2種類
初心者用のソールが分厚く重量が重めのシューズと、ソールが硬く薄めのレースタイプのシューズを2足買い、その2足を使い分けながら練習をすると効果的です。その理由は、足の衝撃吸収力と、足の速さ鍛えるため。つまり、つま先着地のフォアフット走法をマスターするためです。
ゆっくり走った場合や、ウォーキングの場合は、かかとから着地しますが、ランニングの場合は初心者はかかと、上級者は足の前方で着地します。それはなぜかと言いますと、全力ダッシュしてみればわかります。かかと着地でのダッシュは難しく、高速のなるほど走りにくくなります。アスリートはキロ3分で走るので、一般人が全力ダッシュしたのとほぼ同じレベルの速度ですが、自分がレベルアップしてキロ4分程度で走れるようになれば、かかと着地は無駄が多く走りにくくなってきます。この時点でフォアフット走法に切り替えると、ふくらはぎの筋力が不足していたり、かかと着地の癖が付いていたりして、切り替えが難しくなります。そのため、レベルが低いうちからフォアフットで走るようにしておいた方が無難です。初心者用のシューズはかかと着地がしやすいように設計されていますが、レースタイプはフォアフットで走りやすいように設計されているので、これでしっかり練習をしつつ、足休めのジョグは初心者用を履きコンディションを整える使い分けがベストでした。

・ゆっくり走れば速くなる?
いろんなマラソントレーニングの本を読むと、ゆっくり走ることや、LSDをすすめているものがありますが、このメニューは、高負荷のトレーニングの間に入れるサブメニューであって、ゆっくり走るだけでレベルアップすることはありません。
浅井えり子選手が、この「ゆっくり走れば速くなる」というタイトルで本を出されていますが、ゆっくり走ることの効果を謳ってはいるものの、それ以外のメニューがすごい。
例えば、コントロールランニングというメニューの場合、
最初の1kmは4分30秒ペース
次の1kmは4分ペース
次の1kmは3分30秒ペース
この3km走を5セット繰り返し、計15kmを走る。
持続走のメニューの場合は、40~45kmを目安に走る。ラスト5kmはレースペースで走り、最後は全力で追い込む。
ウルトラマラソン的トレーニングでは、1kmを5~6分ペースで20分走り、次に5分歩く。
これを6時間前後繰り返す。距離にして50~60kmほど。
他にもハードトレーニングがいろいろあるのですが、その間にLSDを入れるのですよね。ゆっくり走るだけでは速くなりません。

・LSDよりもウォーキング
上の続きになるのですが、LSDのキロ7分ペースというのは、ランニングの足踏みしているかのような速度。これを長時間続ければ、フォームが乱れダラダラした走りになってしまいます。乱れた着地ではシューズのソールが片減りするし、長時間続けば走る気力も萎えてきます。これをするならウォーキングの方がはるかに効果的と思うのですね。LSDのチョンチョン足踏みランニングをするよりも、徒歩は足の可動領域が広いし、大股で歩いたり足首のスナップを効かせたりすることで、いろんな筋肉が鍛えられ、ストレッチ効果もあります。また歩く場所も海や山などハイキング感覚で歩けば楽しいし、ハードに筋力を使う登山もウォーキングとして効果大。ザックを背負い、重たい登山靴を履いて1日中歩き回れば、中途半端なLSDよりもはるかに脚力がアップします。

・足が痛い時は走る
足が痛むのであれば休足するべきですが、その痛みの度合によっては、動かしたほうが治りが早い場合があります。走った方がいいのか、休んだ方がいいのかは、実際に走ってみればわかります。走るとヤバい故障なら、痛くて走り続けることができません。逆に、走るほどに痛みが麻痺するのであれば、ペースや距離をセーブしながら軽めのジョグをした方が、治癒は進むようです。
自分の足の状態は自分がいちばん知っています。自分が医者になったつもりで、軽く走りながら自分で自分を診察するといいようです。

・半身浴と水シャワー
痛みの治療法をして、この方法は効果的です。やや熱め(43度ほど)のお湯で、ヘソあたりまでの半身浴を行います。汗が吹き出てきたら、風呂から上がって、真っ赤になった脚に水のシャワーを掛けます。そして再び半身浴。これを繰り返し1時間ほど入浴します。入浴後はかなり身体が柔らかくなっているので、湯冷めしないうちにストレッチも行なっておくといいようです。
また、夏場のランニング直後は、アイシングを欠かさないようにしました。保冷剤を足に当て、位置を変えながら20分ほど冷やします。疲労が翌日に残りにくくなったようです。

・筋トレは必須
ボディビルダーのような筋トレは不要ですが、自宅でできるスクワットやカーフレイズ、腕立て伏せや腹筋運動など、まんべんなく鍛えておくと身体のバランスが良くなり、フォームがまとまりやすく、走りが楽になります。雨の日などで走れないときは、筋トレ日としていました。自宅だけでなく、ジムのマシンを使うのも効果的で、安全で簡単に高負荷のトレーニングができるので、その筋肉痛が癒えたあとのランニングは、羽が生えたようにスイスイと軽快に走れました。

・走る時間帯
仕事の関係上、ランニングのできる時間は限られてきますが、1日のうちでもっとも運動効果が高い時間は16~18時の夕方の時間帯だそうです。学校のクラブの時間は夕方なので、理想的とのこと。これは医学的にも実証されているそうです。
朝ランと夜ランに関する件は”以前にも書いたので”よろしければ参照してみてください。


・トレーニング日誌
GPSを利用してログが取れるGARMINやiPhoneがあると便利ですが、数値の記録だけでなく、その時の感想などをメモしておくのも重要です。単に「今日は調子が悪かった」とか、「ビルドアップ走だったけど、ラストのペースアップができなかった」といった内容だけではなく、なぜ調子が悪かったのか?なぜペースアップができなかったのか?までをしっかり書くといいようです。これはあとで読み返すためではなく、その場で反省することが目的です。
「調子が悪かった=睡眠不足」「ペースアップできなかった=今の実力では最初のペースが高すぎる」といった原因がわかるので、「今夜は早めに寝る」「ビルドアップのペース再設定」といった課題が生まれます。これをタスク化してToDoリストに入れておきます。
そして次回のトレーニングでその効果を確認してメモしておけば、なんとなくランニングをするよりも、はるかに効率の良いトレーニングをすることができます。

・iPhoneの活用
GPS機能を搭載したスマートフォンをランニングに利用すると、プロ並みのデータを残すことができます。もちろんGARMINのような腕時計タイプも便利ですが、iPhoneがあれば、音楽は聴けるし、ネットラジオやポッドキャストも聴けるし、緊急時の電話として使えるし、良い景色やおもしろいものなどを写真に残すことができるし、オーディオブックを利用すれば読書も可能。思いついたアイデアも、その場で忘れずにメモができます。
しかも、ランニングアプリを使えば、距離や時間、ペースをアナウンスしてくれるので、いちいち時計を見ることなく、走りに集中できます。このペースアナウンスのおかげで、イーブンペースで走れるようになり、ペースが乱れて無駄に疲れるような走りを防ぐことができるようになりました。

・モチベーションの維持
他にも気付いた点はいろいろあるのですが、最も重要なのは「モチベーションの維持」。
1人でトレーニングをしていると、やる気が出ないことが往々にしてあります。でも、やる気がない時に走ってみると、意外と調子がいいのですよね。逆に、やる気満々のときに走ると、体が重くて全然思い通りに走れなかったということも多いです。そのため、心と体は反比例と思って取り組むようにすると、気力がない時こそレベルアップのチャンスと思って走るようになるので、モチベーションの維持ができます。
また、マラソンのレース中継を録画し、たまにそれを見るというのもモチベーションアップに効果的です。自分がレベルアップしたときに、過去に見たレースを再度見ると、今まで気づかなかった部分が見えたりするし、「次のトレーニングではこうしてみよう」といった、新たな課題が生まれたりします。
やる気を出すには、ランナーさんが多い公園などへ行き、一緒に走るのもいいですね。シューズやウェアなどを買い換えるのも、やる気を起こさせる引き金になります。
そして次第に、ランニングが生活に一部となり、ライフワークとして位置付けできるようになれば、生きること自体にやる気が生まれ、充実した日々が送れるようになると思っています。

目標を持ち、それに少しずつ近づいていく達成感と喜びが簡単に味わえるのもランニングの利点の一つ。私の今現在の目標はサブスリー達成。それを達成すれば、次は50分切り。次は年齢的に記録更新が難しいので、レースで年代別の上位に食い込むこと。そして爺さんになれば、あちこちのレースに旅行気分で参戦する。といったステップで進もうかと思っています。
では、今夜も小一時間ほど走りに。と思っていたのですが、ハーフマラソンのレースで足がガタガタに壊れたので、治癒力アップウォーキングに行ってきます。